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指先に込める「enrioの流儀」—— 刻印・糊付け・ヘリ返し・コバ塗りの世界
先日のSNSでは、私たちが「革の裏側」を大切にする理由について少し触れました。 今日はその「裏側」にある、具体的で、それでいて一番神経を使う製作工程の一部を覗いていただこうと思います。
私たちが製品に命を吹き込むとき、欠かせない4つのステップがあります。
【1. 刻印:ブランドの覚悟を刻む】 まずは「刻印」。 enrioのロゴを革に刻む瞬間は、いつも独特の緊張感があります。 熱の入れ方ひ...

【番外編】連休の余白と、相棒としての革。
連休いかがお過ごしですか? いつもなら工房で機械の音や革の匂いに囲まれている時間ですが、今日は少しだけ手を止めて、外の光の中で enrio のバッグを眺めています。
全5回でお届けしている「製作編」。 今回は少しお休みして、番外編として「使う人」の視点から、革と過ごす時間についてお話しさせてください。
1. 「軽さ」という、一番の優しさ
連休のお出かけは、ついつい荷物が増えたり、いつもより...

【製作編】第2回:0.1ミリに宿る、強さと優しさ。「漉き」の美学
渋谷のポップアップを経て、改めて enrio の「裏側」を曝け出す製作レポ。 第1回の「裁断」を経て、バラバラのパーツになった革たち。 机に並んだそれらは、まだ「材料」でしかありません。
今回お話しするのは、それらを「製品」へと昇華させるための、最もストイックな工程。 革の厚みを整える「漉き(すき)」についてです。
1. 0.1ミリの差が、革製品の「格」を決める
「漉き」とは、専用の漉き機...

製作編:第1回 「命のバトン」を切り出す。一太刀に込める、100枚の革と98年の覚悟
渋谷でのPOPUPという挑戦が終わり、工房には静寂が戻りました。 あの5日間で得た一番の収穫は、「良いものを作る」だけでは届かない、という痛烈な事実でした。
だからこそ、この「製作編」では、enrioが、そして私が、どれほど素材に執着し、一針に命を懸けているか、その泥臭いプロセスを隠さずにお伝えしようと思います。
その第1回は、すべての始まり、「裁断」です。
1. 100枚の個性と対話する...

【工房編】最後の一針に込める、98年の意地と「100枚の覚悟」
農場、屠畜場、なめし工場。 多くのプロたちが繋いできた「命のバトン」のしんがりを務めるのが、私たちの工房です。
実は、このバトンの受け取り方は、普通のブランドとは少し違います。 私自身がハンドルを握る車で、なめし工場(計量屋)まで直接引き取りに行くのです。
■ 軽バンに積んだ「100枚の勝負」
積み込むのは、およそ100枚の革。 一般的なブランドは、革問屋から必要な分だけ(1枚から)買うの...

皮から「革」へ。職人の魔法が一生モノを創り出す。
農場で受け取った「命のバトン」は、休む間もなく次のランナーへと引き継がれます。 向かう先は、埼玉県が世界に誇る技術の結晶、「なめし工場」です。
ここでは、放っておけば傷んでしまう「皮」が、数十年使い続けられる「革」へと劇的に生まれ変わります。
■ 「塩蔵」をしないという、究極の鮮度へのこだわり
通常のレザー製作では、屠畜された皮は腐敗を防ぐために大量の塩に漬け込む「塩蔵(えんぞう)」という...

【特別編】写真には残せなかった、命の交差点の話。
前回、橋本グローバルスワインさんの農場でお伝えした「命のバトン」。 真っ直ぐな瞳の黒豚たちから受け取ったそのバトンが、最初に向かう場所があります。
それは、一般的にはあまり語られることのない場所であり、レザー業界でも伏せられることの多いプロセス――「屠畜場(とちくじょう)」です。
ここからは、あえて写真は載せません。 私の記憶にある、現場の空気感と言葉だけをお届けします。
■ 10年見てき...

革の「鮮度」を求めて。命の現場で交わした、ある約束の話。
私たちが「革の鮮度」にこだわる理由は、単に質が良いからだけではありません。 実際に(有)橋本グローバルスワインさんの農場を訪ね、橋本さんが豚たちに向き合う真剣な眼差し、そして力強く生きる黒豚たちの姿を目の当たりにした時、私の心に一つの強い感情が湧き上がりました。
「この命を、決して無駄にしてはいけない。最高の状態で使い切ることこそが、私たちの責任だ」
前職のJA全農ミートフーズ時代から数多...

【図解】enrioが「産地」にこだわる本当の理由。〜サプライチェーンの裏側〜
「なぜ、enrioの豚革はこんなに特別なんですか?」
展示会やポップアップストアで、製品を手に取ったお客様からよくいただく質問です。 その答えは、技術やデザインはもちろんですが、実はもっと手前の「仕組み」にあります。
今回は、enrioが大切にしている「独自のサプライチェーン」についてお話しします。
従来のルートとenrioのルート(比較図)
一般的な革の流通(図の上段)では、多くの業者が...