
連休いかがお過ごしですか? いつもなら工房で機械の音や革の匂いに囲まれている時間ですが、今日は少しだけ手を止めて、外の光の中で enrio のバッグを眺めています。
全5回でお届けしている「製作編」。 今回は少しお休みして、番外編として「使う人」の視点から、革と過ごす時間についてお話しさせてください。
1. 「軽さ」という、一番の優しさ
連休のお出かけは、ついつい荷物が増えたり、いつもより長く歩いたりするものですよね。 そんな時、私が改めて感じるのはピッグスキンの「軽さ」という魅力です。
「彩の国黒豚」の革は、強靭でありながら驚くほど軽い。 バッグそのものが軽いということは、それだけで体に負担をかけない「優しさ」になります。 目的地に着いたとき、肩が凝っていない。そんな何気ないことが、休日の楽しさを底上げしてくれると思うのです。

2. 傷さえも、思い出の一部になる
「革製品は、傷がつくのが怖くて……」 そんなお声をいただくこともあります。
でも、enrio が扱うピッグスキンは、もともと摩擦に強く、とてもタフな素材です。 旅先で浴びた強い日差し、急な雨、地面に置いた時の土の匂い。 それらは決して「劣化」ではなく、あなたと一緒に過ごした時間の「証」です。
新品の時が完成ではありません。 あなたが使い込み、触れることで、革は柔らかく、深い表情へと育っていきます。 数年後、そのバッグについた小さな傷を見て「あぁ、あの連休にここへ行ったな」と思い出せる。 そんなふうに、あなたの人生の歩みに寄り添える存在でありたいと願っています。

3. 「道具」から「相棒」へ
連休が終われば、また慌ただしい日常が始まります。 忙しい朝、玄関で enrio を手に取ったとき、休日のリラックスした空気感をふっと思い出せるような。 ただ荷物を運ぶ「道具」としてだけでなく、あなたの心を少しだけ整える「相棒」であれたら、作り手としてこれ以上の喜びはありません。
地元の豚さんが、こうして皆さんの大切な休日に寄り添っている。 その光景を想像するだけで、また明日からの製作に力が入ります。

次回予告:5月12日(火) 製作編を再開します。 バラバラだったパーツに、enrio の証を刻み、立体へと近づけていく「刻印・糊付け・ヘリ返し」の工程。 いよいよ、バッグが「形」になり始める瞬間の熱量をお伝えします。
残りの休日、皆さまが素敵な時間を過ごせますように。


